小説家の収入
■作家の収入。よく聞かれるので、ここでぶっちゃける。
デビュー前の頃だが、ぼくは小説家はみんな金持ちだと思っていた。とにかく一冊出せばかなりの収入になるのだろうと思い込んでいて、いいなあ印税生活者は、とぼんやり考えていた。
ところが実際は違う。いや、まだデビュー作はよかった。初版3万8000部も刷ってくれたのだ。
今、初版(単行本)でこれだけの部数を刷れる作家はごく一握りしかいない。無名の新人のぼくがそれだけを刷れたのは、今考えると驚異だ(もっともそれは10年前の話で、出版界には不況の波はなかったというのもあるのだが──)。
現在、単行本の初版で1万部ならすっごくいいほうだし、なかなか出版社もそれだけ刷ろうとしない。
せいぜい5000部止まりだ。これはぼくだけに限らず、知人友人作家の多くがそうである。なかには2000部スタートという人もいる。2000部ですよ、2000部。同人誌並みですよ。1年かけて書いた作品が2000部なんですよ、とぼやきたいのは山々だろうし、叫んでいるに違いない。
作家の印税は10%が相場である。1500円の本、2000部なら、収入は30万円である。はあ、溜息が出る。増刷がなく、初版で終われば、源泉税を引かれて、手取りは27万円だ。そんな人が世の中にはいるのである。
もっとも年一冊じゃとても食えないだろうから、そういう人は他のことをやっているはずだ。
しかしながら小説家は儲からない。これが現実だ。だが、儲かっている人も当然いる。別荘、ベンツ、銀座当たり前って人だね。もっとも稼ぐ人は忙しいから、そんなに遊ぶ時間はないと思うけど。
そこでぼくはどうだろうかと疑問に思われるだろうが、それはナイショ。
でも別荘は持てません、ベンツ……月賦だったらなんとか……でも、ヒイヒイいってだから買わない。じゃなくて早い話買えないってことか(爆)。
銀座? 興味ない。銀座行くんだったら、山に入ってキャンプして火を焚いているほうが好きだな。要するにジミ~なオヤジなんです。
すみません、すみません、オヤジで。悪かったなオヤジで、なんだ馬鹿野郎というのは荒井注で、ハアあの人は故人だった。ああ、こういうことをいうのが、そもそもオヤジなんだな。おれはオヤジだ。オヤジでどこが悪い。
と、開き直って独り言をいってたら、原稿のプリントアウトが終わったので、また明日。
■新作の見本が届いたのでアップしようと思ったが面倒だから明日にしよう。
みなさんお楽しみに。明日は、『ぼくの本を正しく買う方法』を教えます。なに、知りたくない。なこといわずに明日も付き合ってくださいな。
うむ、予告はいいな。これから多用するかな。
by kingminoru | 2004-11-19 13:52 | 小説家(小説)