貧乏作家と金持ち作家
◆三日間の空白を埋めるために、午前2時起きで仕事しているが、ちょいと疲れたので、ふと思ったことを記しておこう。
それは、世の中には小説家になりたいという人が何と多いことだろうか、ということだ。
はっきりいって厳しい世界です。
賞金1000万などという新人賞を獲得してデビューできたとしても、その先に未来があるとはかぎらないのです。そのまま一発で終わり、なんてことはざら。
カツカツで頑張っていても、年収100万もないという人もいます。
どかんと一発あたっても、そのあと鳴かず飛ばずの作家もたくさんいます。
稼ぐ作家は書きつづけるしかありませんが、売れないと出版社も出してくれなくなります。出してくれなければ、印税も原稿料も入らないので、ただの人になります。無職と同じです。
出版業界は不況に強いといわれつづけてきましたが、そんなことはありません。つぶれる出版社があっちにもこっちにもあります。大手も青息吐息です。
初版部数も、売れない作品はどんどん減っていきます。
初版4000もめずらしくありません。
4000ですよ。一冊600円だとすれば、24万円。
税引きになるので、216000円の収入……。
嗚呼……。
一冊書き上げるのに、どれだけの労力と日数を要するか、それを考えると目の前が真っ暗ですよね。
じつは、悲しいかなわたしの仲間にもそんな作家がいます。
先日、そのことを聞いて、驚いた次第です。
マイナス面ばかりいってもしかたがありませんので、今度はプラス面のことを。
ずっと売れない作家であっても、地道にやっているうちに、ある日突然ブレイクなんてこともあります。こうなると引く手数多の大忙し、こっちをこなし、あっちをこなし、これを出し、あれを出しとなる。
相乗効果で昔売れなかった本が、大ヒットなんてこともある。
収入はその分増えますが、いかんせん作家という商売は、あまり経費がかからないので、税金がどかんとやってきます。どこでどれを経費とするかに頭を悩ませます。
暇はなくなります。遊べません。好きなこともできなくなります。
それでも本が売れつづけると、安泰です。
余録の仕事も入ってきて、ウハウハです。御殿も建ちましょう。
しかし、そんな作家はごく一握りです。
ごく一握りしか、いないのです。
野球でもサッカーでもゴルフでも芸能界でも同じ。
大成功するのはごく一握り。
でも、
わたしは……(あとはご想像のほどを)。
「トーチャン、そんなことはどうでもいいでしょ。あたちはお掃除に忙しいんだからね。それより、どんどん売れる小説を書くしかないじゃない」
「かー、おっしゃるとおり」
せっせ、せっせと爪で床を傷つけるアニー(>_<)
PS:無事に自転車回収。おれの自転車は盗まれない。
by kingminoru | 2009-12-02 05:15 | 小説家(小説)