うだうだうだうだ
◇みりみりと氷に罅(ひび)が走り、凍結した自分の指がばらばらと砕ける。
わっ! おれの指がなくなった!
首ががくっと横に倒れ、床に落ちた頭がガラスのように割れ散る。
一瞬のことだ。そんな寒いところが、この宇宙にはある、らしい。
よかった、地球に生まれていて。
◇カズはよかったねえ。だけど、やっぱり往年時の体のキレはないね。それでもあの年齢で、あれだけやるのは立派だ。
◇アニーはこれまで「お座り」「伏せ」「待て」は完璧にできた。ボールも遠くへ投げてもちゃんと取ってくる。だけど、「お手」と「ハウス」ができなかった。
それができるようになった!
おまけにハウスは命令しなくても自ら行くときもある。リードウォークもほぼ80点から90点をあげることができる。ときどき、お手もできなきゃハウスもできなのか、この馬鹿犬めとぶつくさ文句をいいつづけたせいではないな。
おまえは賢いのだ。えらいぞ。
◇仕事は進まず。ときどき、ぱたりと一歩も前に行けないときがある。
今日がその日。どうも乗らない。パソコンの前でうだうだしているだけだ。
ですから宣伝!
先日、「わかれ雪」が出ましたが、今年最後の作品の登場です。
これは、アンソロジー作品に収録してきた短編を一冊にまとめ、一編を書き下ろした、わたしにとって初めての短編集です。
『ぶらり十兵衛』─本所見廻り同心控─(大洋時代文庫630円)
帯にあるように【悪には強いが情には弱い】というコピーそのものの作品です。
また、カバーイラストは、講談社文化出版賞の挿絵賞を受賞された安里英晴さんです。
正月のお供に是非とも読んでください。
by kingminoru | 2005-12-13 14:31 | 小説家(小説)