人間の話

◇わかっていない人がいる。いま流行の「KY」(空気が読めない)といってもいい。
 ただし、KYはその場だけに使われることが多いようだが、そうでなく勘違いしている、あるいは勘違いする人が世の中には結構多いということだ。

 わたしは長い間、芸能界で生きてきた(食べさせてもらった)が、このなかにかなりその類がいた。おそらくいまもいるだろう。その人にとっては勘違いというより、勝手な思い込みだろう。もっといえば独占欲が強く我が儘、かつ己を知らないということになる。

 どんな人かというと、例えばある女優がいる。仮に花子としよう。
 花子は当然事務所(芸能プロダクション)に入っている。そして担当のマネージャがついている。花子はマネージャが自分のことを、必死に売ってくれていると思い込んでいる。また、そうでなければならないし、そうあってほしいと思う。
 さらに自分のほうを向いてほしいがために、あの手この手でマネージャを口説く。わたしは何ができる、どんな趣味が得意、ねえ、今度飲みに行きましょうetc……。
 やる気があるのはわかるが、マネージャは花子だけを売っているわけではない。他にも担当しているタレントがいる。花子はそんなことは忘れている。忘れていなくても、他の子なんかどうでもいいから、わたしだけを売ってよと思う。

 マネージャはうざいと思う。魅力あるならとうに売っているし、またちゃんと売り込みもしている。だけど、売れないのは花子に魅力がないからである。またマネージャが積極的に花子の面倒を見ないのは、それだけの価値しかないからなのである。
 花子はこのことに気付いていない。
 これは女優だけでなく俳優にもいえる。

 そして、恋愛にもそのようなことがある。
 正夫はグループ交際で明美と知り合った。かといって明美のことをそんなに意識したことはない。まあ、適当に友達程度ならという軽いノリだ。
 ところが、明美は正夫がタイプであった。メールをこまめにし、その日あったこと、自分がしたことを伝えたがる。そして、返事を待ち望む。
 正夫はさして興味がないから、読み飛ばす、あるいはすぐに削除。当然返事は出さない。出したとしてもそっけないものだ。だいたいが関心のない人間の、その日の行動なんてたいして面白くないのだ。
 もっとも人を殺してしまったとか、誰それをレイプしたなんてショッキングなことが書かれていたら、目を皿にして読むかもしれないが……。
 それでも正夫は暇があれば、そして明美から誘いがあれば、茶も飲むし、酒にも付き合う。明美は脈があると思うから、プレゼントなどを用意する。じつに女らしく。
 だけど、正夫はプレゼントをもらっても、自分の趣味でないとがっかりすることがある。センスねえなあと思う。
 これは花子と正夫の「逆転パターン」もある。

 こういった勘違いや、思い過ごしをするタイプは、ロマンチストに多い。さらに理想が高い。高いがゆえに苦労したり、無駄なことをしたりする。自分を見つめているようで、実際は自分のことがよくわかっていないのだ。

 いま理想が高いと書いた。もちろん、人は理想とか志が高いほうがいいだろう。だが、それには分相応というのもがあるのではなかろうか。
 分相応とは、なにも家柄や学歴などのことではない。現状の自分がどの段階にあり、どのレベルまでアップできるかということを知っていることを指す。

 例えば、50の能力しかないのに、一挙に100をめざすというのは無謀である。目標設定を自分の能力に合わせ、60あるいは70にして、段階的に上っていくほうが堅実で、また現実的だと思われる。もちろん、そうでない場合もあるだろうが、無理をしない着実な方法は怪我が少ないものだ。
(もっと書くことがあるが、この先はまた後日……。)

■昨日はゴルフ。皆吉台カントリー。晴天のゴルフ日より。
 はじめていったコースだがな、なかなかコンデションがよかった。
 だけど、わたしはちっともゴルフが上達していない。48/46の大叩き。
 初コースだからと、言い訳するのは通用しない。下手だからだ。
 練習しなければな。

■本日はゲラ仕事に没頭する。
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by kingminoru | 2007-12-11 08:37 | 小説家(小説)