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ヒトラーの最期だけではない

       「ヒトラー最期の12日間」
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◇台風が接近している。我が家のマンションはというより、我が家のテラスは排水がうまくいっていない。ゆえに集中的な豪雨になると、テラスが水浸しになりリビングが浸水しそうになる。
 昨年の豪雨のときに大慌てをしたのだが、どうにか難だけは逃れた。その後、管理会社に対策を練ってもらい、屋上の排水溝に手を加えてもらった。以来、水の心配はなくなったが、じつはさっき猛烈な土砂降りとなり、またもやテラスが溢れそうになった。

 わたしは管理人室に駆け、早く何とかしろとせっついた。それで管理人と二人して、屋上に上がり排水溝にタオルとビニールで応急の栓をした。これで被害は防げたが、今回は徹底して管理会社に補修させる。
 
 高いローンを払い、高い管理費を払っているのだから当然のことであるわな。ローンをチャラにしてくれるっていうんなら、何もしなくてもいいけどね。そんなことないしな(笑)。

◇映画を観た! それが上の写真。説明するまでもなく『ヒトラー最期の12日間』であるが、これは傑作だった。
 わたしはかつて日本テレビ系でやっていた『知ってるつもり?!』の構成をやっており、その折ヒトラーの話は二回も作った。また、戦記物小説でもヒトラーを登場させたりしているので、それなりに彼には詳しいつもりなので公開前から期待をしていたが、期待以上の作品だった。
 何よりヒトラーを演じる役者が素晴らしい。追い詰められた彼の苦悩、葛藤、焦燥を見事に演じているのだ。
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 圧巻は信頼できる部下だけを部屋に残し、司令官を罵倒するシーンだ。悪鬼のように顔を上気させ、拳を振り上げ振り下ろし、髪を振り乱して、敗北の原因は無能な司令官にあり、その司令官らは自分の期待をことごとく裏切るばかりか、自分を罠にはめているとさえ断言する。さらには一言で更迭してしまう。
 スターリンのように司令官の粛正をすればよかったとさえ放言する。
 
 だが、彼は負けるという現実にすでに直面にしており、身の処し方を2年前から準備する。それが新しい女性秘書の雇用であった。
 この映画はその秘書の証言を元に、克明に描かれているという。実際の彼女は映画の最後に登場し、とても大切なメッセージを残している。
『若いから何もわからなかったといういいわけは通用しない。若くても目を開いていればわかったのです』と。(少し違うかもしれないが、そんな言葉だった)
 この言葉の意味は映画をご覧になればよくわかります。
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 ヒトラーはほとんどベルリンの地下司令部にいるが、私生活のときには人間的やさしさをもって人に接する。だが、仕事となると冷酷な男に変身する。
 二面性をもった狂気の男だ。
 映画は純血種のアーリア人こそ世界を支配するものだと口を憚らないヒトラーの、人物像がよくわかるばかりでなく、側近たちの苦悩や地下司令部での傍若無人な様子も描いてあり、じつに興味深い。そして、いよいよ最後のときが来ると、彼らは自らの命を絶つばかりでなく、妻や家族をも道連れにしてゆく。

 しかし、ヒトラーはどこかの偽政者と違い、ちゃんと自分の命を自分で処している。金を持って地下に隠れた、どこかの独裁者とは違うところだけは、ヒトラーのえらいところかもしれない(あまり褒めたくはないが……)。
 ともかくかなり歴史に忠実に描かれている作品であることは間違いないし、後世に残すべき名作であるのもたしかだと思う。

◇テラスの洪水騒ぎで、仕事への集中力が削がれた。
 まいった。

by kingminoru | 2005-08-25 14:01 | 映画