行き詰まるのはたびたびのことだ

もう寝ていることはできない。そのまま起きて、コーヒーをドリップする。
湯気の立つカップを持って仕事場へ。
午後1時頃、行き詰まる。ファイルを閉じて、ぼうっと外を眺める。
曇っている空の下にある木立が、緩やかな風にそよいでいるだけだ。
目を閉じる。
風の音……虫の声……鳥のさえずり……。
遠くから環状線を走る車の走行音。これはかすかにしか聞こえない。
その静寂を破るのは、突如、上空に現れた一機のヘリだった。だが、それは爆音を短い間轟かせただけで、どこかに行ってしまった。
また、静寂。近くの小学校のチャイムが聞こえた。
目を開ける。
仕事モードが失せているのに気づく。疲れた脳を休ませるためにパソコンの電源を落とそうとしたとき、どこからともなくお囃子の音が聞こえてきた。
また祭があるのだな。近くの商店街だろうか……。

◇「おれの頭は、氷に刺さった水飴か。さもなくば、金平糖……」
by kingminoru | 2005-09-28 13:04 | 小説家(小説)