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アクシデント

◇事件! 恐れていたことが起きてしまった。アニーの甘噛みがミーチャの左前脚に衝撃を与えたようだ。
 脚を引きずっていたが、しばらくすると治ったような気配。一夜明けて大丈夫かなと思っているが、ときどき左前脚を庇うように歩き、ときどき脚を引きずる。
 爪研ぎやジャンプは出来るから骨が折れているようではない。打撲なのだろうか? ともかく今夜一晩様子を見て、明日もおかしかったら病院に連れてゆく。
 よって、アニーとミーチャを遊ばせないようにした。やはり、ミーチャは小さすぎる。アニーに悪気がなくても些細な間違いが起こるのだ。
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◇ようやく新作に取りかかる。久し振りに時代物を離れた作品。冒頭から一気呵成というわけにはいかない。徐々にエンジンをかけることにする。

【ワンニャン物語】第7話
 出合い──1
それは暑い夏だったか、寒い冬だったか定かではないが、心許ない記憶の糸を手繰ってゆくと、おそらく春先だったと思う。
 ぼくは小学校三年生で、二日ばかり高熱にうなされ学校を休んでいた。体調がどうにか戻ったころの昼下がり、布団のなかで仔犬の鳴き声を聞いた。
 家の前には小さな川が流れており、そこの砂場あたりから声が聞こえる。ぼくは何度か縁側に立ってのぞき込んだが見えない。庭下駄を履いて川を見たが、やはり犬の姿は見えない。
 布団に戻って、縁側から射し込む光を見、庭木の先に見える青い空と緑の山をぼんやり眺めていた。玄関のほうで妹二人の声がして、ぼくの寝ている座敷にやってきた。
「そこの川に犬がいるみたいだ。捨て犬だったら拾ってこい」
 妹の顔を見るなり、ぼくはそんなことをいった。
 それから間もなく妹二人が小さな仔犬を抱いて庭に現れた。くぅんくぅんと可愛らしい声を出して尻尾を振る。牡犬だ。
 ぼくは自分の風邪のことも忘れ、この犬を飼うと決めた。
 両親が戻ってくると、ぼくは早速その件を切り出した。反対はされなかった。それで、名前をつけようということになり、あれこれ相談したが、ぼくは即座にこういった。
「リキにしよう」
「……リキ」
 父は首をかしげた。
「うん、力道山のリキだよ」
 当時プロレスが流行っており、ぼくは力道山の大ファンだった。
 そのとき妹二人がどんな顔をしたか忘れたが、拾ってきた犬はリキという名前になった。

by kingminoru | 2005-11-03 17:30 | ワンコ&ニャンコ