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死体を見た

◇太陽が傾きはじめると、風の冷たさが身にしみるようになり、どうしても背中を丸めがちだが、わたしは背筋を伸ばし、すたすたと歩く。
 喫茶店に着き、数日前に読みはじめた小説を開き、カフェラテを飲みながら読書をする。その間にも進めている仕事のことが脳裏をよぎる。あそこはこうすればよいか、つぎの展開はこうするか……結局、読んでいる内容が身に入らない。読書中止。
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◇犬の散歩に行くことにする。アニーはリーダーウォークがほぼ完璧にできるようになった。信号待ちではお座りして待つ。やればできるじゃないかと頭をなでてやる。
 昨日ミーチャは、チップを入れにいった。今首の後ろにそれが入っている。去勢するまでは、ミーチャはボランティアの猫ということになっている。虚勢がすんでから正式に我が家の一員ということなのだ。
 チップは迷子になったり、逃げ出したりしたときに役に立つもので、もしどこかで轢死となった場合は、そのチップで身許がわかるという仕組みなのだ。
 おっと、轢死……。いやな響きだ。
 今朝もそうだったが、三日前にも猫の死体を見た。轢死だ。二匹とも野良猫である。一匹は黒猫だった。もう一匹は灰色と白の混ざった猫だった。
 夜中に跳ねられて息絶えたのだろう。即死だったかもしれない。都会(うちはそうでもないが、それでも交通量は多い)で野良になる犬や猫の末路は、交通事故死が一番多いような気がする。違うかな……。

◇今日は冬至。明日から少しずつ日が長くなる。嬉しい。
 今夜は柚湯にゆっくり浸かるかな。

by kingminoru | 2005-12-22 16:02 | 小説家(小説)