人気ブログランキング |

石川遼、栄光への道

■ある意味で歴史的瞬間を目撃した。それも2度。
 現場にいたわけではなくテレビを見ていてのことであるが、最初は大分トリニータがJ1ナビスコカップで優勝したこと。その先制点を高松がヘッドで合わせた瞬間も見た。
 大分は九州勢で初めての快挙を成し遂げたことになる。素晴らしい試合だった。

 そして、つぎの歴史的瞬間――こちらが本命――。
「マイナビABCチャンピオンシップ・ゴルフトーナメント」の優勝者。
 もちろん石川遼だ。16歳でプロ転向後、初のツアー優勝を果たしたのだが、デビューから1年もたっていないという快挙である。プロ転向に関しては物議を醸したこともあるが、わたしは彼が登場してからずっと応援している。
 そのし甲斐がある。やはり彼は逸材だし、十分にスターの資質を兼ね備えている。
プロゴルファーになっても、ツアーに出ることもできず消える選手もいれば、ツアーに出ているベテランでも未だ優勝できない選手は数多といる。
 そんななかでの優勝はホンモノであるし、実力があるといわざるをえない。

 18番最終パー5、彼はこの時点で2位の深堀圭一郎に2打差リードしていた。
 セカンドショットは、前足下がり爪先下がりという悪いライ。安全にいけばグリーン左にレイオフして、難なくパーセーブし、深堀がつぎのバーディパットを決めたとしても優勝なのだ。

 しかし、彼は果敢にツーオンを狙ってショットした。
 ところが芝を払いながら打った白球は、グリーン手前に待ちかまえる池に入ってしまった。
 どうするか? ぼくは当然打つべきだと思った(打てるところに沈んでいた)。ここで彼が1ペナルティを払って、救済を受けるならスターになれない。
 しかし、彼は何の躊躇いもなく水のなかに入った。静かにアドレスの体勢を整え、何度かグリーンと足許のボールをたしかめる。
 雲霞のごとく集まったギャラリーが一瞬息を呑む。時も風も止まったような静寂。
 このときばかりはアナウンサーも解説者も口をつぐんで、黙って見守る。

 ミスショットも十分予想された。深くクラブが入れば、ボールは上がらず、また池に戻るかもしれない。浅く入りすぎてトップすれば大きくグリーンオーバー。
 下手すれば取り返しのつかない痛恨の一打となり、深堀とのプレイオフにもつれ込む可能性もあるし、逆転されるかもしれない……。

 石川遼はややフェースを開き、バンカーショットと同じアドレスを保ってテークバックした。水飛沫と共に白球が宙に舞った。彼はそのボールの行方を追う。ボールは見事グリーンに届き、そしてピンに向かっていった。
 どよめく喚声と、驚きの声が18番ホールを包んだ。
 結果オーライ。
 これは誰も予測できない、まさに神の演出だと思った。

 優勝インタビューで彼は泣いた。わたしもつい、もらい泣きをしてしまった。
 彼はおそらくスーパースターになる。そう信じている。

■薬疹はようやく治まった。あとは生検のおり切除した皮膚の抜糸。

■本日は多くの時間を執筆に費やす。

by kingminoru | 2008-11-03 06:09 | ゴルフ